2019!ご挨拶と自由芸術大学ストレッチ講座1月のお知らせ

2019年、明けましておめでとうございます!

2018年は、たくさんの方にお世話になった年でした。本当にありがとうございます。どうぞ今年も身体のこと、たくさん考えて発信していきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。(考えまくった挙句、めちゃくちゃ月並みな挨拶になった・・・書ききれない)

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テキサスで滞在した湖の素晴らしい夕焼け。右奥にうっすら虹。

クリスマス、年末年始をアメリカ合衆国のテキサスで過ごしました。地味にデジタルデトックスをしつつ、水彩画や、読書、ジグゾーパズルやボードゲーム、犬の散歩、映画、脱出ゲームをして過ごしました。(テキサス旅行記、詳しくは後日また書きたいなあ)

 

寒いけど、まだまだ極寒ではない年明けですね!年明けに帰国しても、高円寺のいちょうの木にはまだ黄色く紅葉した葉っぱが残っていたりして驚いたりしました。

 

飛行機での14時間のフライトや、テキサスでの移動は全て車、屋内中心の生活で、こんなにも体を動かさないことってない!という2週間だったのですが、みるみる間に、身体がバキバキ!

普段、ストレッチクラスに来てくれるデスクワークの方もこんな感じで固まっているのかもなあと感慨深く体の変化を観察していました。

帰国後、早速、ヨガやストレッチ、踊りの稽古を重点的に行い、だいぶ元の通りの動く体になってきました。足の裏の筋肉の衰えがハンパなく、もっと鍛えようと心に誓ったのでした。

 

今年も!自由芸術大学でのストレッチ講座を開催いたします。

開催曜日は去年から引き続き、木曜日です。

1月は、10日、17日、24日、31日!!

 

1月のテーマは、「全身を観察し、ほぐす」。

改めてベーシックなストレッチをおさらいしていくと共に、自分の身体の状態を見つめ直していきたいなと思います。自分と向き合う静かな時間を持ちたいです。年の初めのスタートアップをゆっくりと過ごせればと思います。

もちろんいつも通り、個別の体のお困りごともクラスの中で伺いますので、プログラムに組み込んでいきたいと思います。

 

会 場:素人の乱12号店|自由芸術大学
166-0002 東京都杉並区高円寺北3-8-12-2F
費 用:チケット制 4回分(2,000円×4回)8,000円 ※ビジター1回2,500円
問合せ:ngonda716@gmail.com
持ち物:運動のできる服装、飲み物(必要な方は、ノートや筆記具おやつなど)

 

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スペクテイターに載ってます(Loca Kithen記事のなか〜)

雑誌の可能性を感じまくるかっこいい雑誌『スペクテイター』42号〈新しい食堂〉特集に、おいしいストレッチ教室でコラボしている高円寺Loca Kitchenの店長、やっちゃんこといとうやすよさんの、力作エッセーが掲載されてマス!タイトルは、

 

食堂開業心得帖

D.I.Y.と”はったり”の店づくりハウツー

 

合計16ページ!!

 

イラストや、お店の図解、開業に必要な事業計画や必要書類も書いてある。親切。施工にかかった費用や、コミカルに語られるやすよ店長の本音も。本音過ぎて凄い。

 

多分内容は、

・開業にはコストがかかります!500万円貯めましょう!バーーーン!

・独立しよう!起業しよう!キラキラ〜〜〜〜!

・繋がりましょう!一緒に何か面白いことやりましょう!ゴリゴリ〜〜!

みたいな本たちやビジネスパースンたちと一緒なのかもしれないんだけど、等身大のやすよ店長が曝け出されてて、凄い。

 

・社会不適合とされてしまった(もしくはされてしまいそうな)自分と付き合ってる人

・会社組織でうまくやれない自分が起業とか絶対無理と思ってる人

・お金が無いから独立できないと思っている人

・自分はプロフェッショナルじゃ無いからと思っている人。料理学校にも行ってないし・・・とか

そんな人たちは励まされちゃうと思う。「なんかできそう?!」と今より楽しくサバイブできる方法を見つけてみようと思えるかもしれない。

 

やすよ店長が「おいしいストレッチ教室」にも文中で触れてて、私もちょっと登場させていただいて、最強に幸せ。ありがとう。ございます。ちなみに今月は来週16日に開催ですっ。お席も余裕があります。

 

12/16(日)おいしいストレッチ教室 vol.12 よく眠り、よく目覚める 【予約受付中☆】 - dancer's life

しかも、すっごく素敵で美人なイラストにしていただいて。もう、友達に自慢したよね。したよね。した。なんならきっとこれからもする。

 

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記事はイラスト図解もたくさん!紙質もネイビーのインクも良い〜!

 

やすよ店長と私は、上智大学修士課程で出会って、互いに「いるな〜」って感じであまり関わりなく過ごしたといううっすらとした出会いを思い出しつつ、「思えば遠く来たもんだ」と中原中也を思い出す。

  

やっぱり今号も「生き方を考える」「生を再考する」「人間だけじゃない」「東京だけじゃない」ってことをいつも感じさせてくれるクールな雑誌だった。

渋谷なぎ食堂のオーナーさんの「料理で驚きたい」という言葉が一番印象に残った。私ももっと驚きたい。

 

やすよ店長、掲載おめでとうございまする〜!

 

私もいつかスペクテイターに書いてみたいなあ。

スペクテイター〈42号〉 新しい食堂

スペクテイター〈42号〉 新しい食堂

 

 

 

余談(載せるかすごく迷ったけど載せる)

『スペクテイター』は上智大学の研究所勤務時代から好きな雑誌で、なんだかんだと図書予算や雑誌予算で購入、蔵書してました。就活、労働、労働者の権利、アナキズム、食と農なんてのも研究所のテーマだったし、それらのことをもっと広く学部生に向けて発信したかったので、「スペクテイターはおしゃれなタッチと読み応えもありでキャッチーですよ!」と蔵書検討のための会議で推し発言したのを思い出す。思えば、研究所の会議とは思えない発言ですね。

 

12月は、肩甲骨から肩、首を緩める。ほぐす。

気づけばもう師走!

あまりに寒くないので忘れてしまいそうですが、きっと急に寒波がきますね。

温度ギャップにやられないようにして、楽しいクリスマス休暇や、お正月を迎えたいものです。

 

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よ、ようやく紅葉。高円寺の長仙寺のお庭。

さて、自由芸術大学ストレッチ講座「資本主義社会のなかの身体とダンス・パフォーマンス」12月のテーマは、、、

 

肩甲骨から肩、首を緩める。ほぐす。

 

ですっ!!!

寒くなってくると、背中が縮こまって、無意識に肩に力が入って、疲れてしまいます。普段だって、肩こりや首の痛みがある人が多い中で、寒さはその凝りや痛みに拍車をかけます。そして、寒さでほぐれにくくなってしまう。・・・脅し文句のようで嫌なのですが、本当にそうなのですよね。

 

クラスには、動きやすく暖かい格好でお越しください。動いても動いても冷えてきてしまうよりも、セーターやパーカーなどを着て、暖かくして、汗をかきやすい状態にした方が、体はよく動き、ほぐれます。

去年は割と薄着でクラスをやっていましたが、私も容赦無く、セーターやあったかいインナーを着て教えています。

 

開 講:毎週木曜日19:30~21:00 

12月開講日・・・6日・13日・20日

1月は、10日から再開いたします。

12月27日と1月3日は年末年始お休みします。何卒よろしくお願いします。

会 場:素人の乱12号店|自由芸術大学
166-0002 東京都杉並区高円寺北3-8-12-2F
費 用:チケット制 4回分(2,000円×4回)8,000円 ※ビジター1回2,500円
問合せ:ngonda716@gmail.com
持ち物:運動のできる服装、飲み物(必要な方は、ノートや筆記具おやつなど)

 

www.freeart-univ.org

ECD『暮らしの手帖』

ECDが亡くなった時以来かな。久しぶりに手にとった『暮らしの手帖』ECD著。

なんとなく熱があって布団にいる以外何もできなかった時に、あの本寝込んだりする描写があるし、なんとなく足元のおぼつかない主人公たちの暮らしが良いんだよなあ、と取り出してきて読んだ。

 

「もういないんだよなあ」と生前の姿を思い浮かべる。はじめに思い浮かぶのは、横顔のライブシーン。マイクを短く持ち、前のめりになって客を煽るような。次は、闘病中の痩せた顔。雑誌『岩波』の少し前までの表紙のようなアップの顔。娘さんたちと外にいる姿。パンツ姿で寝る姿。これらの記憶の多くは植本一子さんや、ろでぃーさんや、いろんな人の写真から生成されてる。

 

文章の中の、主人公たちの綴られ方は、頭の中に響く第三者の声のようだ。自分を少し俯瞰して、語っていく。その語りをそのまま文字起こししたような。誰に聞かせるでもない語りが、日常っぽいなあと思う。

 

私の東京生活において繰り返される引越しの中でもずっと一緒に移動を続けてきた本の中の1冊。もう何年持ってるんだろう。数年前に自分が残したドッグイヤーがいくつかある。罫線は引かないので、どこに感銘を受けたか、いつ読んだ時につけたのか、を思い返すのも楽しい作業だったりする。

 

繰り返し読む数少ない本。

オススメです。

 

暮らしの手帖

暮らしの手帖

 

 

12/16(日)おいしいストレッチ教室 vol.12 よく眠り、よく目覚める 【予約受付中☆】

毎月第3日曜日の午後に、高円寺のビーガン・マクロビカフェLoca Kitchenにて行なっているストレッチ×ビーガンスイーツの講座のお知らせです。

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コレは11月に行なった時のデザートプレートです〜!思い出しよだれ。



今回のテーマは、「よく眠り、よく目覚める」

よく目覚めるためには、まずはよく眠ること、です。

講座の前半は、健やかな眠りを助けるお休み前のストレッチ。

休憩を挟んで後半は、心身を起動させる目覚めのストレッチ。

形の正しさよりも、身体感覚を重視して、お家でも即実践できるものでプログラムを組んでいます。

 

そして、ハーブやフルーツを使った2種類のオリジナルドリンクと、デザートプレートつきです。ドリンクもデザートもテーマに合わせたものをLoca Kitchen店長いとうやすよさんが、この日のために用意します。もちろん全てビーガンです。

今回は、テーマに沿って「おめざ」的なものにしようか、と話しています。

 

カフェでのストレッチなので、椅子に座って、もしくは立って行います。

自分の形に合った無理のない座り方からスタートします。

 

以下、詳細です〜〜〜。お問い合わせやお申し込みは、私まで直接っ。

ngonda716@gmail.com(權田菜美)

 

おいしいストレッチ教室 vol.12〜 よく眠り、よく目覚める

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毎月第3日曜日に開催!
ストレッチワークショップと
ウェルカムドリンク、講座終了後にデザートプレート+ドリンク付き
3,500円
(通常メニューもあります。追加オーダーも大歓迎)

お料理と飲み物 いとうやすよ(Vegeカフェバー Loca☆Kitchen店長)
ワークショップ講師 權田菜美(ダンサー)

ゆったりした服での参加がオススメです。

2018/12/16/日
OPEN 14:30
START 15:00
CLOSE 17:30(ストレッチ終了は16:30頃。お時間のない方は、デザートプレートをテイクアウトできます。事前にお伝えください。)
VegeカフェバーLoca☆Kitchen(杉並区高円寺南3-68-1)
JR高円寺駅南口から右へ徒歩2分

6名限定 事前予約制
お問い合わせ・ご予約
ngonda716@gmail.com(權田菜美)
 locakitchen@hotmail.co.jp(Loca☆Kitchen)

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日々の緊張とストレスで睡眠トラブルを抱える現代人は多いですよね(>_<)
寒くなってくるこの季節は特に、布団から出るのもツライ...。
そんな、目覚めが悪く、疲れがとれてない朝の感覚に覚えはありませんか?
心地良い眠りと目覚めは、大切な日常をより幸せなものにしてくれます。
今回のワークショップで、スムーズな入眠と寝起きを作る体質に改善していきましょう♪

おいしいヴィーガン(完全菜食)、マクロビ料理とドリンクのカフェバー、Loca☆Kitchenでは、ダンサーの權田菜美とコラボで、毎月第3日曜にデザート付きストレッチワークショップを定期開催しています。
今回のテーマは、「よく眠り、よく目覚める」。

オリジナルのリラックスドリンクを飲みながら、1時間半ほどこころとからだをほぐします。その後は、スペシャル・ヴィーガンスイーツでごほうびタイム♪

ご参加待ってます。


講師 プロフィール
權田菜美
ダンサー。高校生時代、モダンダンスを中心に、クラシックバレエやジャズダンスを学ぶ。3.11をきっかけに、踊りを再開。パフォーマンスアートや柔術の動きを取り入れつつ、アートとアクティビズムを横断する表現活動をしてきました。

2018年7月、モロッコへの公演ツアー。
2018年9月、メキシコ大使館での独立記念日パーティーに出演。
ダンス、ストレッチの講師やパーソナルトレーナーなど。
毎週木曜日19時半から、高円寺、素人の乱12号店でストレッチクラスを開講中。きてね。

歌舞伎を習ってます。

この夏から、日本の伝統芸能を少しずつだけれど学んでいる。

私の中でのもぞもぞとした興味が、ぼんやりぼんやりとだが、私を動かしている。

歌舞伎の講座に通っているのです。夏には、シアターXの歌舞伎ワークショップの成果発表会にも出演した。1年ほど前、歌舞伎座の最前列で歌舞伎を観てから、歌舞伎大好きなのだ。

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忠臣蔵」道行・落人のおかるの衣装

私は、アナキズムにとてつもない憧れがあり、それとどうしても対立するようなナショナリスティックなものや、伝統的なもの、古典と言われるものは、イマイチ触手が動かなかった。それも、ナショナリストたちや国家が、文化や芸術をナショナリズムのために使うから、嫌気がさすだけで、芸事自体はやっぱり素晴らしいものだ。

 

この数年メキシコ、ペルー、モロッコ、様々な国のアーティストたちに出会うたび、「自分の育った土地にある技術を知りたい」「私は何も知らなくていいのかな」と感じていた。

 

学び始めは、練習着である浴衣も一人で着られなかったし、もちろん浴衣をたたむこともできない。そしてそれを恥ずかしいと思った。先生の講義を聞くたび、知らないことばかりで、「なぜ私はこんな基本的っぽいことまで知らないんだろう」とまた恥ずかしいと思った。

公教育含め習う機会がなかったのだから、できないし、知らないのが当たり前なのに、知らないことを恥ずかしいと感じた。普段、恐縮なんてしないのに、なぜか恐縮したりもした。

日本文化らしきものの中で、コミュニケーションの方法が日本人っぽくなっていったりして、なんなんだろうコレは?!と思ったりした。

 

そんな自分の中の「日本的なるもの」を観察しつつ、稽古をとても楽しんでいる。

歌舞伎とその中に含まれる殺陣や日本舞踊(そのものではないが)などの技術は、とても面白い。筋が通っていて、美しい。裏切らない。三百年の時を経て、様式に昇華された様々の決まりごとは、とても気持ち良いものだ。

例えばなんで指を広げるのか、閉じるのか、そこにはそうでなければならない理由がある。それ以外にありえないと思わせる知恵と工夫が込められているのだ。

クラス毎に感心するばかりです。

 

女でも習えるなんてありがたいな〜なんてちょっと卑屈かな〜。

もともと女が始めたことなのにね。

出雲の阿国さんっていうプロデューサー兼女優。コレくらいは歴史の授業で習うね。

歴史の授業で「そんな女の人いたんだ!かっこいい!」と思った気持ちを思い出しました。

 

早ければ来年秋頃に迫った米国移住。大義名分さておいて、東京で学べることをたくさん吸収したいと思ってます。

 

 

先生の舞台を観るということ。

先日、舞台を観に愛知まで行って来ました。

新幹線こだま号快適ですね。急いでいないなら、東海道新幹線は断然こだま派です。ゆっくりなのが旅情。富士山が見える方の席も良いですが、小田原、熱海、浜名湖の海側を堪能するのも好きです。

 

さて、今回観て来た舞台は、

団野美由紀・石川雅実 舞踊公演 vol.04「夜の森」

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言ってみましたら、自分のダンスの先生方の公演です。前のブログでダンスを始めた経緯について触れましたが、この主催の団野美由紀さん、石川雅実さんというお二人が、私に踊りの基礎をくれた先生方です。この舞台の振り付けはお茶の水女子大の猪崎弥生副学長が振り付けや構成、演出をしています。猪崎先生は、私の先生方を育てた先生。

 

東京からわざわざ愛知まで見に行ったのには、人生って不思議だなあと思うことが起きたから。

今、私は春頃に公演を打とうと、舞踏ダンサーの村中祐ちゃんと創作と稽古をしているのですが、祐季ちゃんのお師匠さんが主宰される、とりふね舞踏舎の舞台を見に行来ました。祐季さんの踊りのことや、彼女の人生のことをもっと知りたかったから。集団で踊る舞踏を見たことが無かったのも理由のひとつ。

 

サテ、このとりふね舞踏舎の主宰者でありダンサーの三上加代さんが、猪崎先生のご学友ということは、うっすら祐季ちゃんから聞いていたのですが、なんと猪崎先生も同じ日程の公演を見に来ていらして、十何年振りだろう、くらいにお見かけして。

しかも、このとりふね舞踏舎の公演「SAI」が素晴らしく。大泣き。号泣。人間存在の素晴らしさ、巡る命のしぶとさを受け取ったのでした。

猪崎先生にもご挨拶をしたところ、「次の愛知での舞台が最後の公演。これからは若い人を応援する、批評とか審査などの仕事をもっとしたいと思っていて」とおっしゃって。

舞台の帰りがけに祐季さんとLINEで話し、「これは愛知まで行って見よう」と決意したのでした。

私のルーツを知る番だわ。

という訳で、愛知へ行ったのでした。

 

公演は知立市というトヨタ関連企業の大きな会社や工場がある町のホール。

舞台は、客席の「センターセンター」と呼ばれるちょうどど真ん中あたりから見るのが良いと教えられたのですが、私は断然最前列センター派。演者の空気感や存在感を体当たりで見ている感じが最高です。

 

自分の高校の頃の踊れなさや、辛かったことや、挫折感、、、いろんなことを思い出して緊張しつつ、劇場に入りました。

劇場に入った瞬間に伝わる、今日の舞台は凄いよ、と伝えてくる空気。これはつまんない舞台の時は、伝わってこない。

緞帳が降りていない舞台に関心。黒いリノリウム、森の入り口のような舞台美術を眺め、舞台から流れてくるスモークの匂いと湿度を懐かしく思い、劇場内に溢れるガヤを聞きつつ、パンフレットを眺め、開演10分前にもう一度お手洗いに行き、見るとでもなくダンサーの名前を目で追い、ジャケットを脱ぎ膝にかけ、涙腺崩壊した時に備えてハンカチをバッグから出す、パンフレットに挟まれたチラシも眺め、ふむふむと。

開演前の劇場内でのマイルールを繰り広げ、水を飲み、またマイルールを展開。

開演前のアナウンス。客電が落ちる。異世界に来たような楽しみ。

 

ああ、私がかじった世界はこういう場所だったのだなと思いました。

素晴らしく体の動くコロスダンサーたち。

人体の癖を削ぎ落とした同一の動き。

 

団野美由紀さんの演じた魔女は、自分の中の魔女とはほど遠く、新鮮だった。どろりとしたものが無く、もしくは薄く、まっすぐで、純真な少女のようにも見える存在感。

 

石川先生は、ダンサーとして完璧と称されてもいいんじゃないだろうか、という四肢。きっと誰もが憧れる。

隙のない律動的な動きの中で、時折、指先が訓練された肢体を離れるかのように物語る。その瞬間「そういうのが見たいんだよ!」と心踊る。

 

私のお気に入りは、ダンサーの伊藤麻子さん。彼女はコロスよりもソロで活かされる。麻子さんは、踊り方がめっちゃ面白くて、モダンダンスと呼ばれるジャンルの中では「癖が強い」と言われてしまうかもしれない。が、心の奥の勢いの塊、スピード感のような物をガンガンに身体に乗せて発してくる。強烈。大好き。あはは!目が離せないよ!

 

公演が綺麗すぎて、途中で何度も「あーーーー!!!!」ってなった。

モダンダンスという世界はこうだったなあ。

演出内のセリフで、「世界はいたってシンプルなものです」

と舞台上から言われて、チクショ〜〜〜!そうなんだけどなあ!!!

そうだよ!

でも私の世界はそんなに洗練されていないんだよなあ〜〜〜〜!!!

だから、やっぱり苦しいし、怖いことだってあるんだよ〜!

 

あ〜、面白かった!

泣かなかったけれど、もうあと1時間くらい見ていたかったな。みんなのギリギリ限界を見たかったなあ。モダンダンスの舞台では見せない種類のものなので諦める。

 

舞台が終わって自分の頭の中を観察。

自分が表現したいやり方とは、違うんだなあ、と改めて思った。

そしてそれで良いんだよなあと思った。

教えられたものは大きく、心身に溶け込んでいる。重要な基礎だ。

今は、自分には自分のやり方があって、学び、生き、踊ってきた心の中のものがあって。

それをどうやって、誰と、もしくは一人で、取り出すか。

 

ジャンルや、その中の基準にとらわれる感覚。

技術の有無にとらわれる感覚。

踊れない、私はこの舞台にはいらないんだ、それも全て踊れない私が悪いんだ、努力不足だ、でももう限界だ、と思いまくった高校時代の心中。

先生に褒められたい、認められたい、でも、自分にはその要素はないんだ、という子が親に持つようなあの感覚。

 

様々な思いが浮かび上がった。

再び、卒業式をしたような気分でした。

スッキリ。

 

自分のルーツを知ったり、見たりするのが苦しくて、踊りを一度やめてから、最近まで、踊りの舞台を見ることができなかった。それが、自分の先生方の踊りを見ることができた。踊りを離れてから17年かあ。

長かったな。

 

心の議事録。