ニューヨーク・ワクチン接種物語5

ワクチンを打ちました。ようやくようやく…!

ここまでのお話はこちらから。

1話目

2話目

3話目

4話目

 

待機ブースで改めて会場を観察する。横に長い長方形の床張りのホールで、長辺の真ん中に大きな舞台があり紅い幕が下がっている。反対側上方にはPAブースの小窓があり、天井には本格的な照明が下がっていた。市民オーケストラでもやるんだろうか。

きょろきょろしていると15分はあっという間に過ぎ、スタッフが椅子までやってきて体調確認をしてくれた。体調は良かった。

 

終わった!

ジョンソン・エンド・ジョンソンは1回で接種が終わるので、これで本当に終わりだ。

辛く、抑圧された2020年を思い出そうとしたが思い出せなかったが、気持ちは晴れやかだった。

 

会場の外へ出る。

入口付近に、予約ブースがあるのを確認した。インターネットが不得手な近所の人には便利かもしれない。

 

パートナーとハイタッチする。

「これで死ななくてすむね!」

ニューヨークを生き延びたんだなあと嬉しくなった。幸運なことだ。

 

ワクチンを摂取したからといって、新型コロナウイルスや変異株にかからなくなるわけではない。死んだり、重症化しなくなるだけだ。ここを勘違いしてはいけない。だから、今日からもマスク、手洗い、ソーシャルディスタンスは続けていく。

あと体内に抗体ができるまでに2周間かかる。もうしばらくは今まで通りの警戒も必要だ。

次の行政課題として、突然マスクやソーシャルディスタンスを止めてしまう人たちが増えるため、どう啓発していくかというものがあると聞いた。やはり、マスクなし、ソーシャルディスタンスなしはまだ危険なのだ。

 

来た道を1時間かけて帰宅。

その日の夜から、翌日丸1日中、副作用に苦しんだ。最初は、風邪みたいだなと思っていたら、インフルエンザよりひどいことになった。横になっても息が上がり呼吸が苦しく、発熱し寒くて熱くて体温の調整がきかない、体中が痛い。インフルエンザは体の節々が痛いが、それに加え、腕や足のなんでもないところが、内側から殴られるような、血管が弾け飛ぶような、体内で火花がパッと爆発するような痛みが断続的に続いた。イブプロフェンを飲み、薬がいつも通り効いていたのだろうが、あの痛みは凄まじかった。

ジョンソン・エンド・ジョンソンのワクチンは、従来の他のワクチンと同じ技術で、病原体でもって体内に抗体をつくる。あれが新型コロナウイルスの軽症状だとしたら、重症なんてとんでもなく恐ろしいものだ。

 

ワクチンを打って2日目、ようやく普通の体調に戻った。

具体的なワクチン接種レポートはこれで終わり。次の投稿は、この1年ニューヨークに何が起きたのか、行政による判断や政策施行を追いながら、振り返ってみたい。

 

ニューヨーク・ワクチン接種物語6へつづく。

 

(45日目/1時間/1062文字)

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ワクチン接種ブースのテーブル。うわあ~~いっぱいワクチンある!って思った。

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2020年4月17日追記。

元の原稿を書いたのは、4月10日辺りで、情報などが古くなっているなと感じます。このときはまだジョンソン・エンド・ジョンソン血栓のニュースも受け取って無かったしね。ニュースの内容も、4月10日とか12日ころまでは、ワクチン接種/配布状況そのものについてだった。その後くらいからは、ワクチン接種の結果、要するに、副作用や異変株への効き目について、が多くなったように感じています。配布が進んで、接種結果がまた明らかになってきたんだなという印象です。

私とパートナーは、現状、副作用などもなく元気です。心配は心配なのでワクチン関連のニュースはプレッシャーに感じない程度に追いかけています。

 

日本のコロナ対策(基本的に何もせず自粛要請と「危ないよ!」って言うだけ)もワクチン対策も、本当に同じ世界線に存在しているか分からなくなるほどにかけ離れている。だから、日本の友人に向けてブログを書いているつもりだけれど、面白いのかな~~~と思うなど。

 

今思い出しても、あの副作用は凄かった…。日本のニュースでSpO2値が90%でも自宅待機とか見たけど、恐ろしいです。