休むこと

 

去年覚えたことがある。

ひとつは、休憩するということ。

 

ぼんやりしたり、ゲームしたりする。

何もせずに、窓からの景色を眺めたり、天井からぶら下がる照明を眺める。

パズルゲームや塗り絵などをする。

誰に見せるでもなく絵を描いたりもする。

 

去年の今頃の自分は、休憩することができなくて、

常に自分の行動に意味や意義があることをやりたがっていた。

疲労に関する感覚も薄く、自分が寝込んでいるときも、疲れているという自覚はなく、怠け者だと自分を責めていた。

 

きっとこうなったのには理由や経緯がある。

思えばいつからか、とても忙しい人生だったと思う。

ほとんど休みのない部活動と勉強ばかりだった高校生時代。大学生時代は、勉強とボランティア活動や社会活動、サークル活動、アルバイトに忙しかった。大学院生時代も、勤めを始めてからも、予定がない日、やることがない日などなかったのじゃないか。

いつもずっと、がむしゃらだった。何かを掴みたくて、自分の正解が欲しくて、苦しくてがむしゃらだったと思う。いつの間にか、がむしゃらに何かに取り組んでいない自分や、ギリギリ崖っぷちまで追い込んでいないと自分を承認できなくなっていた。充実はしていたが幸せではなかった。

悪い過ごし方だったとは思ってはいない。戻りたくはないが良き日々だったと思う。ただ一方で他者の理屈を内面化しすぎていたし、誰かの大義名分を背負ったりもしたし、好まない競争から逃れられない時期もあった。

そんな10代から20代の経験が休めない自分を作っていったと認知している。

 

今は休憩することを覚えた。

日常しかない人生で、自分との付き合い方が変わるのは人生の大きな転換だと思う。

疲労感も育ち、自分の心身の本音がまた少し聞こえやすくなった。

 

友達のみんなも、うまく休んで人生を楽しんでいてくれるといいなと思う。

 

(755文字/20分/25日)

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天井からぶら下がってるやつ