吉本ばなな『「違うこと」をしないこと』

 下北沢のティッチャイで一人晩御飯をしていて、みゆき隊長(店長)から借りていった本。読み始めて速攻で自分で買いました。

(ティッチャイには「図書館」機能があって、本を借りられるのです〜!良い!)

「違うこと」をしないこと

「違うこと」をしないこと

 

 

この本は、自分がダンサー生活をし始めてから、右も左も分からず、騙そうとしたり利用しようとしてくる人と、仕事や人生を分かち合っていこうという意思のある人との区別もつかないところから、歩んできて分かったことが、めっちゃいっぱい言語化されてる!と思って一気読みしました。

 

私は、親の悪影響が強く、親のために生きるような人生を長いこと歩んできてしまったため、本当は自分が何がしたいのか、何が欲しいのか分からないという期間が長〜くありました。1983年に生まれてから、そうだな、きっと2016年まではそういう人生でした。33年、長いね。

 

勤め仕事を辞めて、仕事を作りながら生きてきてみると、「自分とは波長が合わなくて、なんかモヤモヤするけど、仕事くれるからな。良くしてくれるからな。仕事する人全部と何から何まで合うわけないよな」という感覚のことが結構あって。でもその仕事やその人たちとの関係を続けると、また分からなくなってくる。関係を続けても、ブレない自分がいれば大丈夫なんだろうけれど、私はぜんっぜんそうじゃなかった。

 

あとふと思い出したのは、以前勤めていた会社で、入社してみたら社内がグチャグチャってことがあって。偏見、差別、セクハラ、パワハラ、家庭内不和を社内に持ち込んだり、みんながみんな、なんか冴えない、しかも互いにまとわりついて足を引っ張りあっているようなドロ〜っとした感じになっていることに少しずつ気づいて、私は、しいたけ占いとか、石井ゆかりさんの占いとか読みながら、「私の人生に1ミリも関係ない人たちと毎日9時間以上も過ごして、何をやってるんだ?」と思いまくってたこともある。

 

こういうことがしたくなくて、自分の人生をもっと歩みたくて、24時間自分でいたくて仕事を作りながら生きていこうと決めたのに、なぜかまた、他人の人生に取り込まれそうになってる。おかしいおかしい!何だ何だ!

 

こういう、人生の中での「違和感」ってキャッチするのが難しいこともあって、違和感の原因を本の中では「ノイズ」という言葉で表されてたりする。

 自分の違和感を大切にしてスルーしないってのは大事。

 

こういう違和感・ノイズって、大々的にはズレてなくて、自分のできる範囲のことだし、やりたいことの範囲だから判断がつきにくい。そういう「結果自分の人生とは関係ない人」たちも世間的には良い人だったりすることもありますしね。

 

で、こういうことって、何も仕事とかそういうことだけじゃないんですよね。分かんなくなっちゃうと、自分が何を食べたいのかさえも分からないんですよ。

 

いろんなバリエーションはありますが、誰かと一緒に食事をしても「何をオーダーしたら相手の気分を害さないかな?」とかという思考回路になってくる。これがね、一事が万事で、どこまでも行っちゃうんですよ。服選び、家選び、趣味や日常の過ごし方まで。自分なんて存在しなくなっちゃうわけです。

 

でもこうやって、無意識に、もしくは良かれと思って、自分の本来の性質を隠したり、こねくり回して、世の中的に正しそうなノイズにチャンネルを合わせて生きてても、結局自分って出てきちゃうというか。それを抑え込んだりしまくって、ズレが最大限になると、病気になったりするんだろうなと思ってる。

自分の本来の性質って変えられないからな〜。何だかんだ。

 

というわけで、

なんか変だな〜、

自分で選んで生きてるのに生きづらいな〜、

とモヤモヤしている人におすすめです。

 

 あと、最後に。

ティッチャイ、めっちゃ美味しくて楽しくなるので、オススメです!Vegan対応もしてくれるし安心。まじで、行ってみて。

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