裁縫反資本主義と連帯経済

12月頭頃、約1年使ってきたショーツが壊れかかってきた。糊か圧着か、つなぎ合わされた布と布が剥がれかけている。もう買い替え時期か。早い気がする。いや、こんなもんか。どうなんだろう。

 

こうなると選択肢は新しいものを買うということになるのだろうが、繕ってみた。

マイクロポリエステル(ユニクロのエアリズムのような布)なので、縫うよりも糊でつけたほうがいいと判断。手間もなくていい。棚を漁って、ゴリラグルーという、日本でいうアロンアルファに相当する瞬間接着剤でつけようと思ったら、見事に固まっていた。瞬間接着剤あるある。代わりにボンドのような接着剤でつけた。しばらく手で抑えておいてから、乾かす。一瞬で元通り。

ゴミになる布を救うことができた。

あとは、ニューヨークのコインランドリーのパワフルな洗濯機に耐えられるかなあというところだけれど、一安心。壊れたらまた直すし、次はまた違う工夫も考えるだろう。

 

自分で直すと、生きる力を取り戻した気分になって、ワクワクしてくる。面白くなってニヤニヤしてしまう。大杉栄の「性の拡充」や伊藤野枝の生き様を思い出す。

 

私は繕い物をする。必要なものを縫って作ることもある。ミシンを持たない今は手縫いで、遅々として進まなかったりするがそれはそれ。哲学思索的な時間をくれるので楽しい。壊れたものを直して延命させ、長く使おうとする根底には、反グローバリズムや反新自由主義的資本主義がある。買うと捨てる、すなわち消費の間にある可能性を拡大することは、クリエイティブで面白い行為だ。

繕う、直す、作る。

 

こういった行為と思想は、アナキズム反グローバリズム運動のなかで身につけた。これだけでは足りないなというのは同時にずっと抱えてきた気持ちだった。この文章だって、何度も同じようなことを書いてる。書いてて自分で自分につまらなさと行き詰まりも感じた。

突破口になりそうなキーワードを突如思い出した。

「連帯経済」

多分まだ知る人ぞ知るワードなんじゃないかと思う。

連帯経済は、2015年頃に少しだけ勉強してそれきりになっていた。どんな思想と実践があるのか改めてもっと知りたい。ここ3年ほどは、身体、ジェンダー、アートといったより私個人の内面に深く関わることや、議会制民主主義や民主主義の使い方や実践について学び、実践してきたが、また経済構造とその問題、そして可能性を知りたくなった。

1月1日から、また世界が広がった。

 

(1000文字/1時間10分/6日目)

 

 

ラテンアメリカの連帯経済 コモン・グッドの再生をめざして

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  • 発売日: 2019/11/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 やっぱこれから読むのがいいのかな~。コモン・グッドってなんだろう。