読書会とベル・フックス

学者であるパートナーとふたりで読書会をしている。

2020年9月にスタートし、今は、ベル・フックス著『feminism is for everybody passionate politics』(邦題:フェミニズムはみんなのもの 情熱の政治学)を読んでいる。19章ある本作品のようやく半ば。

 

今まで8回の読書会をしてきて、その実施方法が定まりつつある。

当初は毎回2章分を1度に行っていたが、最初の方を忘れたてしまうので、1章ずつ行うようになった。読むスピードが遅い私が先に読み、要約を作成。その後私が読み終えて2日後までにパートナーが読み、読書会を実施。

会は約1時間から1時間半ほど。まず私が要約を発表し、意見と質問を述べる。その後に、その意見や質問に沿ってディスカッションをしていく。パートナーと散歩や料理しながら議論することは間々あるが、感情や思いが乗せられる日常のそれは、知識や論拠が二の次になっていて、意外と曖昧なことを言っていたりもする。だから読書会はお互いの知らないこと、不勉強なことが浮き彫りになるのもとても良い。

 

最近は読むスピードも上がってきて、要約の作成もうまくなった。もしかしたら修士時代よりも早いしうまいかもしれない。続けて同じ著者の文章を読んでいると、文章の癖に慣れてくることや、知識の蓄積もされて文脈が分かりやすくなることも、スピードアップの要因だろう。だから多分、また違うものを読んだら今より遅くなる。

 

本作品を読んでいて分かるのは、フェミニズムの凄さや必要さだけでなく、いかに自分がフェミニズムのことを誤解してきたか。メディアによる宣伝を自然に信じてきてしまっていたか。書かれているのは米国のフェミニズムの歴史なので、白人階級エリート女性が先頭に立って進めてきたという印象を持っていたリブ運動やフェミニズム運動にどんな穴があって、誰が顧みられないできたか、黒人や労働者階級やレズビアンの女性たちが何をしてきたか、公民権運動の波とどのようにつながっているか、そしてそれがいかに知らされていないか…。繰り返される「白人階級エリート女性」というような言葉に、人種や階級による明確な隔絶があることが分かる。

 

2000年初版の本作を2021年の今に読むと、#Metoo #Kutoo、BMLなど、今進んでいる運動がより一層頼もしく、かっこいいものだと分かる。また本作品が批判的に読まれ、足りない部分があると指摘、議論されていることを心強く思う。人間は少しずつ、賢くなっている。

 

私も知性を積み重ねていきたいと思う。

 

(999文字/55分/7日目)

 

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インターセクショナリティについてのノート。大事な概念。

 

gonna-dance.hatenablog.com