都市に振り付けられた身体からの解放(改めまして、自由芸術大学ストレッチ講座コンセプトと5月のお知らせ)

先月4月で1年を迎えた自由芸術大学ストレッチ講座。本当に、参加してくださった方々のおかげだなと実感しています。ありがとうございます。

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この講座は、私のダンスや身体への幹となる部分を出している内容になっています。

改めまして、この講座のコンセプトを文章にしてみました。

「都市に振り付けられた身体からの解放」

これがこの講座のキーワードです。

 

自由芸術大学 ストレッチ講座コンセプト

資本主義社会のなかの身体とダンス・パフォーマンス

〜すべては今・ここの身体から、この社会で生きる私が始まります。〜

 

資本主義は、人の働き方、生き方を「これが正しいんだ!」と決め、押し付けてきます。この仕組みの中で生きていると、どれだけ抵抗しようと身体は資本主義の言いなりに固まってきます。

現代社会という名の舞台で、資本家はプロデューサー、上司や先生は振付師。人はいつの間にか、知らず知らずのうちにプロデューサーの思い通りに踊れる/働ける体に訓練されています。それは例えば1日12時間働ける体、あらゆる自己の自由を侵害するハラスメントに内臓や心まで固めて、最低限、死なないようにするサバイバルテクニック。結果、頭痛、肩凝り、腰痛、望んでいない体重の増減。

それを癒すためのサプリやエステ、栄養ドリンクで、また、お金が必要だと思い込まされるループ。

私たちは誰もが、ほんとうは、自分の人生という舞台の主役です。

自分の身体をこれ以上、変えられないために。

自分ののびのびとした身体を取り戻すために。

自分の人生の豊かな時間をもっと味わうために。

自分に与えられた身体を、自分で癒し、緩めてみませんか。

穏やかな時間の中で、自分の身体と世界が変わってゆきます。

 

ダンスの基礎の動きをベースに、重力や自分の体の重さを使って、無理なくゆるゆると身体をほぐしていきます。ご自宅でもできるセルフケアとマッサージが中心です。参加者の心身の困りごとを共有し、それをプログラムに取り入れることで、ひとりひとり異なる身体に寄り添うことを大切にしています。

 

開 講:毎週木曜日19:30~21:00

★スケジュールをご確認ください。

講 師:權田菜美/ゴンダナミ(ダンサー)

会 場:素人の乱12号店|自由芸術大学

166-0002 東京都杉並区高円寺北3-8-12-2F

費 用:チケット制 4回分(2,000円×4回)8,000円 ※ビジター1回2,500円

問合せ:ngonda716@gmail.com

持ち物:運動のできる服装、飲み物(必要な方は、ノートや筆記具おやつなど)

 

自由芸術大学ストレッチ講座5月のスケジュール

5月10日(木) 19:30~21:00

5月17日(木) 19:30~21:00

5月24日(木) 19:30~21:00

5月31日(木) 19:30~21:00

 

クラスの後に、会場でおしゃべりしたり、毎度ではないですが食事に行ったりもしています。交流もお好きな方は、こういったことも楽しみにしてくださってるみたいです。かと言って、クローズドな内輪ノリにはなっていませんので、ご安心ください。

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急な変更は、ツイッターなどのSNSでもお知らせします。

www.instagram.com

生きていく仕組みのこと。

ゴールデンウィークの雰囲気に釣られて、夏用のワンピースを何回か着ました。いいお天気。終わった途端のこの東京の雨は、多くの人のお休みを天気が見守ってくれているようですね。

 

私のゴールデンウィークは、ナイスな地味さで快適でした。

ちょっとだけ愛知に帰ったりもしてきました。

えっと、自分がダンスをはじめたきっかけは、高校で所属した部活がダンス部だったということなのですが、その創部30周年記念パーティーに出席するための帰省でした。そこで大いに踊りと自らに想いを馳せることになりました。

この「ダンス部」というのが、入部にオーディションがあり、半数の生徒が不合格になるというところから始まり、ほぼ年中無休の練習。作品創作。コンクール出場。どんな作品に出演するのも、作品を作るのも全てオーディション。めちゃくちゃハードな部活動でした。ハードな練習と生活の結果、全国大会では今も強豪校のポジションをキープし続けています。

毎学年、数名は何らかしかの形でダンスを続け、プロへの道を歩みます。もしくは、セミプロとして踊り続けます。(部活動そのものに関しては、またいつか書きたいなあと思っています)

 

今でこそ、踊りとその派生物で生きていこうと遅まきながら決めて、よちよちと生きている私ですが、高校3年生最後の発表会が終わった直後は、「もう絶対踊りたくない」と心の底から思い、踊りから離れることを決意しました(逆に言えば、決意が必要なほど好きだったんでしょうね)。もっと言えば、「私は踊り続けるほど、踊りが上手くないし、心も強くない。踊りでは生きていかれない」と思っていました。

 

これは別に間違っていない話で、私が踊りを始めたのは現代舞踊協会系のガチガチのモダンダンスの世界。だから、ヒョイっと耳の横まで足が上がったり、ヒョイヒョイっと3回転ターンができないと舞踊団に所属するなどして踊り続けることは難しい。踊り続けることはできても、たまに出る発表会が関の山。仕事にすることは難しいと思います。実際に、大学でダンスを学び続けようとするダンサーの殆どは、めちゃくちゃ上手なセンターダンサーやそれに近い人びとでした。高校生の時、私には無理、そのように判断しました。そして今も日本のモダンダンスの世界の状況はそうは変わらないと思います。今でも、多くの素晴らしいダンサーが、自分の踊りをお金に変えることなく、ボランティアで踊りを教えたり、自分も持ち出しで作品を作り、発表会に出たりしています。

悪いことじゃないけれど、本当にいいのかなあって思う。

こういう体制が巡り巡って、業界の衰退を招いているような気もする。だって、続けられないじゃん。お金がなかったら。お金が巡らなかったら。

 

あと、ダンスっていろんな種類があって、たとえ現代舞踊協会系のダンスの世界で生きていかれなくても、世界は広い。ストリート、チア、舞踏、コンテンポラリー、、、もっと言えばジャンルはどうでも良い。自分の表現したいものが踊れるか、舞踊団に入るんだったら、トップの先生の表現が好きかどうか、それだけで良いと思ってる。

私はあの時、高校3年生だった時、踊りと言えば自分が所属するダンス(部)の世界しか知らなくて、自分は”踊り”ではソリスト(ソロで踊る人)にもセンター(正面真ん中の一番前列で踊る人)にもなれないんだから、食べていけないし、踊りは続けても意味ないと思っていました。(繰り返します)

 

私の同級で、ダンサーになったのは私含めてふたり。ひとりは、社交ダンス(最近、静岡県の県大会や中部ブロックの大会で優勝。すごい)、そして、なんだかジャンル不明瞭な私。高校時代は芽が出なかったふたりです。

その特定の踊りの世界では落第生(自己認識)だった私(や彼女)でも、技術を応用したり学び続けたり、自分に合ったものと出会えたりすれば、それをお金にして生きていくことができるんだ、ということそのものが感慨深い。

 

パーティーの後、彼女が私に問うには、

「ダンスでどうやって今後生きていこうと思ってる?」ということでした。

 

パッと思いついたのは、ギルドとかユニオン。コミュニティ。

ダンサーとかアーティストって、超がつくほど有名にならない限り、無料で何かするのが当たり前になっていたりする。お金にならなくって当たり前、支払わなくて当たり前、持ち出し当たり前、という感じ。そこを解消する仕組みが必要だと思ってる。

会場となるようなバーや劇場、レストランを運営する人も一緒になって考えたい。

もうひとつは、回るのがお金以外のものであってもいいと思ってる。

たとえば、レストランが閉まっている時に、リハーサルスタジオや練習スタジオとしてそのレストランの空間を無料で借りられる、とか。うーん。その場合、私は何が返せるかなあ。

もうひとつは、大きな所からお金をもらう仕組みづくり。

私の収入は主には教えることが多いんだけれども、個人が出せるお金って限界がある。だから、会社の福利厚生として、ストレッチ講座を取り入れてもらって、私は講師、その会社の社員ならワンコインで受けられます、とか。実際にもうある仕組みだけれど、とってもいいよなあと思う。

最近、アート系ウェブメディアのCINRA様で、ストレッチ講座をスタートしたのですが、とても良い仕組みだなと思う。(また後日話します)

www.cinra.co.jp

 

社交ダンスの世界は、趣味として確立していて、習う人も今は多く、教室業が成り立っている。またペアダンスならではだと思うが、パーティーなどでのダンスのパートナーというような仕事も確立しているそうだ。ただ、ダンサー友達の彼女は、習う人が高齢化したり、羽振りが悪くなっているようで、業界全体の先細りを心配しまくっていた。

ダンサー友達が指摘するには、

「ごんちゃんがやっていることは、業界が確立していなくて、しかもみんながそれで食べていけなくて当たり前と思っている所(コンテンポラリー業界ね)で、なんとか食べていこうとしている大きなチャレンジだよね」

そーーーうだったのか!と思った。確かにね〜〜。

 

私が踊り手として歩むのは、アーティスト/表現者であるという側面も大きいけれど、お金をどうやって生み出して、どうやってコミュニティを生み出して、私だけでなくって、かかわり合う人と、面白く生きていけるかってことにとても関心があるんだよね。

 

東京に帰り、思い直して、「貧乏に徹してわがままに生きろ!」でお馴染みの栗原康さん著『大杉栄伝:永遠のアナキズム』と、ラム・ダス著『ビー・ヒア・ナウ』を読んでいます。

 もう一歩、踏み込んで、鶴見済さんの『0円で生きる:小さくても豊かな経済の作り方』をポチろうと思う。『バイトやめる学校』(山下陽光さん著)はぼちぼちと友達から返してもらうか〜。

 

自分の生き方を、仕組みにまで持っていけたら最高だよな〜〜。

 

と、思いつつ、ひとつひとつ、みなさんと共有していけたらと思います。

次回の自由芸術大学の講座は、5月10日(木)19時半から、素人の乱12号店にて。

次回のおいしいストレッチ教室は、5月20日(日)15時から、ロカキッチンにて。(要申し込み)

 

大杉栄伝: 永遠のアナキズム

大杉栄伝: 永遠のアナキズム

 

 

 

ビー・ヒア・ナウ―心の扉をひらく本 (mind books)

ビー・ヒア・ナウ―心の扉をひらく本 (mind books)

 

 

 

0円で生きる: 小さくても豊かな経済の作り方

0円で生きる: 小さくても豊かな経済の作り方

 

 

 

バイトやめる学校 (SERIES3/4 1)

バイトやめる学校 (SERIES3/4 1)

 

 

子どもたちに表現のワークショップをします。

 

 

来月から、東京国際フランス学園の初等部というのかな、小学校部門で、全8回の身体表現ワークショップと発表会を指導することになったからです。28〜9人ひとクラスの8〜9歳の子どもたちを、4クラスを指導します。まあ、指導というか共有です。

 

東京国際フランス学園は、

解放的でパステルカラーの壁のキャンパスに、目尻や鼻に可愛くボディーピアスをしている先生たち、7週間ごとに2週間のホリデイがある仕組みなどなど、自分からしたらパラダイス感満載の学校です。

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(奥の赤い屋根が体育館!)

http://www.lfitokyo.org/index.php/ja/

ただいま、子どもたちのためのプログラムを考え中。

自分が幼い頃やティーンエイジャーの頃、

大人たちから

私の体を

私の思いを

私の想像力を

私の性別を

否定された経験を反面教師に、

自分の心と体と考えを、素直に解放していくことを

踊りだけではなく、音楽や様々なアートと一緒に体に染み込ませていくことができる講座にしたいと考えています。

 

シスタススネとしてもひとコマ持ちます。

こちら、シスタシスネの相方、ラッパ吹きの山本恭子さんのブログです。

blog.livedoor.jp

 

 

参考書。『現代暴力論』栗原康著。
彼が著作を重ねていることに感謝しつつ。
「ようするに、音頭取りにつられて踊るのは、もうやめにしようということだ。」
「好きに、勝手に踊るんだ。それを行動でしめすことによって、まわりの人たちもさわいでいいんだよとつたいていく。」
「共鳴、あるいは共振作用とでもいえばいいだろうか。われしらず踊っているその解放感は、しぜんとまわりのひとの心にも火をともしてしまう。愉快だ、愉快だ。」

 

他には、『交響するコミューン』『社会学入門』(見田宗介著)なんかも。

いいなと。

 

 

仕事しま〜す。がんばろ〜。バイトやめる学校〜〜。 

4月26日、自由芸術大学ストレッチ講座の日。

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おっとおっと!本日です!!

自由芸術大学ストレッチ講座、19:30より素人の乱12号店にて開催です。

 
最近は、参加者の方の身体の変わり方が手に取るように見え、私もワクワクとしています。

 
あっという間に前屈がつくようになる、ストレッチ体感しませんか?

 

今日は、伸び伸びしまくりたい気持ちのいい日!!伸び伸びするやつやろーう!

 

お待ちしていますっ!

 
https://www.freeart-univ.org/dance-performance/

Loca☆Kitchen(さん)のこと。私の自営業の思想のこと。

いつも、「おいしいストレッチ教室」でお世話になっている高円寺のvegeカフェバーLoca☆Kitchen!それだけではなくて、木曜日の自由芸術大学のストレッチ講座の後も、よく受講してくださった方々と晩御飯を食べに行っています。

twitter.com

Loca☆Kitchenは、

ビーガンだけど気取っていなくて、高架下の飲み屋街にあるけど可愛くって、お料理の価格もお手頃!毎週変わるセットプレートは900円。ファラフェルなどのおつまみも充実、オーガニックワインもある。マクロビスイーツやお茶やジュースも充実。活躍のシーンの多いお店。

 

そのLoca☆Kitchenがウェブに掲載されました!「おいしいストレッチ教室」のことも取り上げていただいています!!嬉しすぎます。ありがとうございます。

style.vegewel.com

 

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(おいしいストレッチ教室でのビーガンスィーツプレートとオリジナルドリンク!)

 

自分たちの経済圏をつくるというチャレンジ

店長のやっちゃんこと、いとうやすよさんは、同じ大学院出身で、大学研究所でも一緒に働いた仲。

もともと、フェアトレードや、既存の大資本経済圏にとらわれず生きていくことや小商いに興味を持っていた私たちは、ふたりで、「自分たちの生活を楽しくするためのアレやコレやを手作りするユニット」というコンセプトで、Loca☆Kitchenというプロジェクト(活動)をふたりで始めたのです。2011年でした。

原発デモに行ってドネーション集めのケータリングをしたり、フリマを開催したり、ZINEを書いたり、縫い物をしたり、食事を出すコミュニティ空間を運営してみたり。いろいろ試しました。いつも、やっちゃんの企画力や発想力と底力に驚いてきました。

 

それぞれの道をポクポク、くねくねと歩き続けていたら、彼女は、お店を出し、私はダンサーになっていました。自営業系女子のできあがり。

 

こういうふうに生きるようになってみて、

仕事づくりの思想が本当に大切だと思う日々です。

そのひとつで、やっちゃんとも共有しているなあと思うことのひとつを紹介します。

 

私は、ただ単純に、お金を稼いでお金に頼って生きていきたいのではありません。お金は必要だけれど、お金で解決したその先にある品物や行為が欲しいからであって、お金そのものには興味がないです。

だから、お金「だけ」で解決しない経済圏とコミュニティを作りながら、生きていきたいなと思うのです。

「自分ができること」で「相手が喜ぶこと」を交換するようなことがしたい。

お金は助かる。でもそれだけじゃない。

パーソナルレッスンのメニューや基本構成の構築に協力していただく代わりに、めっちゃ安くレッスンしてみたり。生きていかれないほど安売りはできないんだけど。もっと何かできないか、っていつも思っている。

 

レッスンメニューは、とても思想が反映されている内容と構成になってきているなと思います。商品に反映させるのよりも、仕事づくりのやり方に反映させる方がもっと明確なものが必要だし、根っからの商売人じゃない私(あるビジネスマンの友達には、「アーティストとビジネスマンの脳みそはある種対局だね」と言われたこともある)にはちょっと違う頭が必要。

 

最近は、もっともっと自分の理想を明確にしたいなと思っています。

それがひとつひとつの仕事の在り方、プロポーザル、値段、内容、全てに繋がっていくからです。自分も相手も喜ぶ形で生きていきたい。

失敗したりぐるぐるしたりしながら、一個一個明確にしていきたいですね〜〜。

 

サテハテ!

 

やっちゃんが、お店を開くまでの人生を綴ったブログが面白いです。

「生きづらい時代こそ、社会不適応者は店を開いてのさばったれ〜☆」

 

おまけ。大福の話。得意なこと。できること。したいこと。

やっちゃんとふたりでケータリングをしていた時、受注数が多く、ほぼ徹夜のお祭り状態で支度をしていた時のこと。デザート用のいちご大福をラップで包むように、やっちゃんに頼まれました。運ぶことや時間が経ってから食べられることばかりを気にして、丈夫に包まなくちゃと思いまくり包んでいたら、丸い大福が四角くなってしまっていました。私にはやっちゃんのように可愛らしく魅力的に食べ物を仕上げるセンスがなく、(ここまでくるとそれ以前のナニカのような気もするけれど)四角くなった大福にさえ気づいていなかったのです。

それをじっと見てやっちゃんは、ぽそっと「丸いものを四角く包む」と言ったのでした。

それがなんだかおかしくて。今でも思い出しては笑います。大福はもちろん包みなおしました。

共通の興味から、Loca☆kitchenという活動をふたりでしていました(しています)が、それぞれができることや得意なことを、組み合わせ、共に動いたり、時にはひとりで、楽しみながら、やることの大切さも知ったように思います。

あの時は、まさか、やっちゃんがお店を持つとは、私がダンサーになるとは、夢にも思っていませんでした。懐かしみ。

 

サァ〜テ!未来も楽しみだ。

松本大洋「ピンポン」を大人にオススメする話。

 最近、ネットフリックス(Netflix)を見ている。

プラネットアースなどのドキュメンタリーから海外ドラマ、海外の子ども向け番組、「深夜食堂」などの日本のドラマまで。

 

Netflixで最近全話を見たのは、「ピンポン」だ。言わずと知れた(であろう)松本大洋原作の卓球漫画の傑作だ。

 

 

 

これが良かった。

作画やマットで全体に少し淡いトーンの色や、時折使用される彩度の高いラケットラバーの表面や登場人物の心理描写。登場人物のスマイルが動く時にさりげなく鳴る歯車のような音。バスケットボールや卓球など、スピード感と共に楽しむスポーツがアニメーションになると、そのスピード感の表現されなさにがっかりしてきた記憶がある。それを超える描かれ方。

 

ラスト3話は速攻で視直そうと思うくらい。詰まってる。

 

誰かのために生きること

これが正しいんだと遠からぬ他者によって示される道の上を歩くこと

自分の立ち位置を見つめ、認め、自分を変えてゆくこと

自分のために生きること

卓球を楽しむこと

卓球が楽しいんだっていうこと

卓球が大好きだっていうこと

 

 

思えば、私は踊りが純粋に楽しいと思えたことはあっただろうか。

踊りの記憶は、いつだって恐怖の記憶と結びついている。

えこひいき、いじめなんかもあるチームで育った。

正しさは一定の価値観が示され、それ以外は敗北であった。

 

一方で、身体を自由に動かしてみようとする快楽。

心や頭の中から自然と湧き上がってくる作品についての

構成や、振り付けや、衣装の類のアイデア

心がワクワクと騒ぎ出す。形にしてみたいと思う。

 

そんなチームを卒業して15年も経つのに、

虐待を受けて育った子どもたちが、大人になって、暴力を振るったり自分を尊重してくれなかったりするパートナーを選んでしまうのに似ている。

自分にとっての幸せを知らないから、幸せを感知する感覚が小さいから、

苦しみを与える何かに、自分の中の虐げられてきた子どもが順応しやすい。

 

今でも、床と鏡が整ったスタジオに入ると泣けてきてしまうことがある。

苦しかったし、幻聴なんかもあったけど、

床と鏡が嬉しい。踊れる環境に身を置けるだけで、こみ上げてくるものがある。

誰にも邪魔されず、誰とも比較せず、ウォーミングアップがわりに踊るとお腹の中から笑えてくる。

こんなにも動くのか、こんなふうにも踊れるのか

音楽は私の体をこんなふうに動かすのか

環境はこんなにも私に影響するのか

こんな感覚を味わうこと自体が嬉しい

ただ、すぐその心は曇っていってしまうことが多い。

 

 

ピンポンの登場人物たちは、深く説明しようのない卓球への愛がある。その愛に、生きるものとして、自分の願望とか関係のなくどうしようもできない才能と、他者の愛が絡んで、時間が織りなされてゆく。

ある者は、才能に奢り逃げてることすらも認めようとしなかった。

ある者は、家族と敷かれたレールを抱え続け応え続ける道だけを見ていた。

ある者は、ヒーローを待っていた。

ある者は、才能に見限りをつけ、愛する卓球から離れた。

素直に生きているように見えるけれど、その道は平坦じゃない人たち。

 

高校生が故の視界の狭さも合間って、それぞれがそれぞれの方法でがむしゃらに、もしくは極端に生きている。選んでいる。

 

この作品を見て、

私ももっと、私自身に、楽しい踊りを与えてあげようと思った。

 

「愛してるぜ、ペコ」

「いい子だ」

と主人公に何度も繰り返すのは、(原作では)唯一の女性の主要登場人物のオババだ。

 

「愛してるぜ、菜美」

「いい子だ」

私も私に繰り返していきたい。他者にも繰り返したい。

 

愛への反射神経を高めていきたいっす。

 

と、いうわけで、ピンポンおすすめです。

 

 

 

 

 

千差万別の体に寄り添います。4月5日(木)自由芸術大学ストレッチ講座

2017年4月中旬にこのストレッチ講座をスタートさせ、もうじき1年です。

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(ゆったりのびのびとしたメニューがほとんどですが、最終的にはこんなこともできるようになるメニューです。なぜなら、普段から私がやっているトレーニングメニューだから!)

 

今までたくさんの方に受けて頂いて、ほんとうに光栄です。ありがとうございます。隔週で開催していた講座が今では毎週受けられるようになりました。

これからも多くの人に受けて頂けるよう、技術や指導の向上、やっていきます。

 

次回は4月5日(木)!

皆様のご参加をお待ちしています。

体の困りごと、生活の困りごとをお持ちよりくださいね〜〜。自分でも様々なレッスンを受けに行きますが、自分のように毎回、参加者の多様な要望を取り入れてやっているクラスは受けたことがないです。先生方それぞれのやり方ではあると思うのですが、私は千差万別の個人の体の特徴や、異なる毎日の状態に寄り添いたいです。

ストレッチ講座詳細
講 師:權田菜美/ゴンダナミ(ダンサー)
会 場:素人の乱12号店|自由芸術大学
166-0002 東京都杉並区高円寺北3-8-12-2F
費 用:チケット制 4回分(2,000円×4回)8,000円 ※ビジター1回2,500円
問合せ:ngonda716@gmail.com
持ち物:運動のできる服装、飲み物、ノート、筆記用具(必要な方はおやつなど)

 

4月の予定

4月5日(木)

4月12日(木)

4月19日(木)

4月26日(木)

単発でのご参加もお待ちしています〜〜。

 

どうぞよろしくお願いします。