自粛の曖昧さを乗り越えるために

自宅ごもりが続く中、日本のインドと言われる私の大好きな東京の街、高円寺の友達から連絡があった。

彼と話して、私もいろいろすっきりした。

それは何かというと「自粛」の正体。

それと、自粛という魍魎のような曖昧なものにやられないために必要なのは、明確な指標だと思ったので、「不要不急の場合以外、自宅にいること」の中身、すなわち具体的に何をしても良くて良くないのかという指針の日本語訳を書くことにした。

参考にしたのはペンシルベニア州のもの。

まとまっていて分かりやすかったので。こちらのサイトです。

https://www.pa.gov/guides/responding-to-covid-19/#StayatHomeOrder

参考にはなったらいいな。

何より、一から全て自分の頭で考えるのはしんどい。

 

では、ペンシルベニア州のSTAY HOME ORDER (お家にいよう命令)を載せていく。

期限さえもトップから公表されない恐ろしい「自粛」の自己判断疲れやバーンアウトなんかの助けになればと思っている。

ざっくりと訳していく。

 

(以下私のへたな翻訳ですがどうぞ)

(目的)

絶対必要な行動と、延命のための仕事と、行政の仕事以外は家にいること

 

(個人)

・自分個人、もしくは家族や暮らしをともにするメンバーの健康と安全を守るための必要なタスク(ペット等も含む)。例えば、薬や医療品の入手、プロの医療関係者を訪問すること、在宅ワークのために必要なものの入手。

・自分個人、もしくは家族や暮らしをともにするメンバーにとって必要なサービス、品物を入手、または配達してもらうこと。例えば、食品、家庭用品/日用品、ペットフード、そのほか安全・満足・生活をまわすのにに必要なもの。これには、食事や生存に関わるボランティアワークも含まれる。

・ソーシャルディスタンスを保つ限りにおいて、散歩、ハイキング、ジョギングなど屋外での活動をすること。(ソーシャルディスタンス:1.8メートルの物理的距離を他者との間にあけること)

・人命存続のため不可欠な物資やサービスにかかる仕事をすること

・他の家族のメンバー、ペットのケア

 

(不可欠な移動)

・上記に記した必要を満たすための移動

・高齢者、未成年、扶養家族、障がい者等 のような脆弱性の高い人をケアするための移動

・遠隔教育のための教材や、学校給食やそれに関連するサービスを受け取るために教育関連施設への移動、またはその施設からの移動

・管轄外から居住地へ戻るための移動(この「管轄外」というのが具体的に何なのかちょっと分からなかった)

・司法要請や裁判所命令による移動

・当州非居住者に対する、彼らの州外居住地域への帰還要請

 

(翻訳ここまで)

 

ここに、日本政府が使う”普及不要”とは何を指すのかのヒントがあると思う。

「満足:satisfaction」という単語が入っているのが印象的。

こういうときって、「贅沢は敵だ!」みたいな感覚があって、

最低限のギリギリや我慢をしてしまいそうになるから、ちょっとほっとした。

何かまた訳していきたいと思います。

 

ちなみに冒頭の友人からの連絡の内容は、

日本もコロナやばいと思うから、どうしたら良いか、ニューヨークで面白い動きがあるのかなどを知りたいという内容で、世界中にいる彼の友達に聞いているとこのこと。彼は困ったことがあるといつもこうやって、友人たちとそのコミュニティの解決方法を聞いて回っている。

彼と話すといつも元気になる。

彼の周りにいつも人がいて、ワイワイしてるのも分かる。

 

自粛の正体。 

日本にいて、何かが危機的な状況になったり、非常事態になると、政府から「自粛」が要請されたり、自然にか、メディアの情報も効いてか、「自粛ムード」になる。「ムード」だよ。雰囲気ってこと?空気感ってこと?人によって差があるだろうし、真面目だし、キツイ状況で相互監視的になる日本人のコミュニティでは、どんどん自分たちで首を絞めるようなことが起きる。だから、「自粛」でかなり制限が効くのだ。

だから、政治家も使う。

この時期だと、花見、祭りの自粛。

このコロナの状況の東京などでは、「数人以上での会食」を避け、「不要不急の外出を控える」ようにという自粛要請がなされた。いちおう、週末のみということらしい。曖昧だよね。

 

辞書を引きますと、

自粛・・・自ら進んで、行いや態度を慎むこと。

さらに、

慎む・・・やまちや軽はずみなことがないように気をつける。慎重に事をなす。度をすごさないようにする。控えめにする。節制する。

(上記2つ出典:デジタル大辞泉

という訳ですね。

 

う〜〜ん。

何をどこまでやっても良いのか、やってはいけないのか全く分からない。

 

これも調べてみよう。

不要不急・・・重要ではなく、急ぎでもないこと。

(出典:実用日本語表現辞典)

 

ということ。

何が重要で、何が急ぎかは個人の判断に委ねられまくっている。

人によっては、

同窓会なども含め旧友に会うことも重要だろうし、

結婚式のために、美容室に行きたいというのも重要だろう。

では、

立ち会い出産のために里帰りしている奥さんや病院を訪ねるのは?

すでにこの状況下で経営が難しくなっている近隣の飲食店で応援も兼ねて会食するのは?

高齢者施設で暮らす家族に面会に行くことは?

リモートでできない仕事は?

 

分からん。

 

お花見や飲み会の楽しいことが、自粛のイメージや批判の矛先にあがりがちだが、

健康で文化的な最低限度の生活を営むためには、

楽しいことも、お酒も、交流も大事なことだ。精神衛生にも良い。

私も今、東京を離れたダメージを受けていると思う。

こういう時は、あのスペース、この店、この店と頼りになる人たちを訪ねて回り、知恵を交換するのが私の生き方だった。

 

きっと、この自粛要請の中で、多くの人が頭を悩ませたり、怒ったりしたんじゃないだろうか。怒りのやりどころがないと思った方、その対象は政府だと私は思う。

 

自粛の怖いのは、本当に自分が罹患したり死ぬことになっても、「自分の判断でそうしたんでしょ」と個人の責任なってしまうことだ。政府は言い逃れがどれだけでもできる。

おまけに自粛で縮小してしまった経済分の補填はしたくないようだ。

社会福祉に使うと言って上げた消費税、今、使い時じゃないかなあと思う。

国家予算の流動のさせかたとか知らないのですけど、

桜を見る会2020の予算とか使えないんですかね。

どうですかね。

店や企業や団体を救うためのクラウドファンディングをちらほら見るけど、

クラウドファンディングだって個人のお財布が財源の元だから、

国民の良心に依拠していると思うんです。

そういうの(企業等への救済措置)だって国家の仕事として捉えても良いと思うんですよね。

 

自粛自粛と言って、情報を的確に得ることが難しい個人(市民)に判断を委ねるのは、良いリーダーのすることではないと思うな〜〜〜。頭の良い手じゃない。

悪手ではあるが、ずる賢いので、彼ら自身の保身にだけはなるという。

国家の役割のひとつは、福祉や教育、様々な形による富の再分配と調整機能だから。

 

また米国の指標や目安になりそうなことを訳したりしたいと思います。

リクエストある方は教えてください。

サイトまるごとグーグル翻訳にかけて読むってのも私の訳より正確かもしれません。

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近所の教会。今は、礼拝ですら行われていない。