インスタグラムで最近ハマっているタグがある。
#panningcommunity
これです。このハッシュタグを開くと、使いかけのアイシャドウパレットやチーク、ファンデーションなどの写真や、使い終わったそれらのケースの写真が出てくる。いかにも使いかけの粉や化粧品オイルまみれで、プラスチック製のケースは汚れているものに惹かれる。
これがたまらないんですよね。汚れている日常感も、使い込んでる感じも。
上記のタグを見ていると、メイク用品を使い切ろうとしている人たちがたくさんいるんだなあと思えて楽しい。私も使い切るし、コレクションもしないから、気になっていた商品を他の人が使ってる様子を楽しんでるんだと思う。
他のファッション産業と同じく、メイク用品もシーズンごとに新作が出る。さらに米国では、秋冬だけ見ても、ハロウィン、クリスマス、旧正月、バレンタインなどイベントごとに限定品が発売される。限定品は特に、色味やパッケージデザインがイベントと相まって可愛らしく、一般の商品でさえ可愛らしいのに、それが見事に陳腐化されて、「ぎゃー欲しい!」と思ってしまう。更に観察すると、イベント翌日にはセールが始まり、大体50%OFFになる。売り切りだろうからもっと安くなるかなと観察していたら、数日も経たないうちにセールは終了した。売れ残りは廃棄だろうか。
でもですね、こんなに頻繁に新作が発売されてもメイク用品って使っても使っても無くならないんですよ。すごく持ちがいい。アイシャドウをゴリゴリに塗るタイプの化粧をする私でもそう。日本では最近「底見え」という表現があり、「とても良い商品なので底が見えるほどに使っています」という意味で、商品をオススメする時などに使われている。底が見えてからだって更に何ヶ月と持ったりする。
使っても使っても無くならない化粧品、数ヶ月に一度新作が出て購買意欲を刺激され、ドラッグストアにも専門店にもデパートにもオンラインショップにも、ストックはいつでも溢れている。
結局、メイク用品を愛でながらゴミとか資本主義について考えている。
その他、もしくは蛇足として「私かわいい」推進委員会会員の私から。
日本インスタの類似投稿だと、同年代女子から「汚くてごめんなさい」や「女子力低い」と自虐的なコメントとともに寄せられていることが多くて悲しい。
そういう!自虐で!自尊心は日々削られるんだよ!あたしゃ怒ってるよ。
女子たち~やめてこ~。
(989文字/60分/22日目)