モーニングサイド・ハイツを訪ねる(2日目)

1月9日は、モーニングサイド・ハイツ方面へパートナーと歩いて向かった。この日は友人ふたりと夕食をする待ち合わせ。ハーレムからハミルトンハイツ方面へ上がり、そこからモーニングサイド・ハイツへと下っていく。ハミルトンハイツの丘の上からモーニングサイド・ハイツ方面を真っ直ぐ見下ろすアムステルダム・アベニューの眺めが好きだ。

 

行きがてら、最近の仕事や読んでいる本の話をした。私は、読了したばかりの『横丁の戦後史 -東京五輪で消えゆく路地裏の記憶』(フリート横田・著)について概要を説明し、話し合った。私は幼い頃から周縁化されてきた人々に関心とエンパシーがあり、私は学生時代、貧困問題への関心から野宿者運動について活動し研究していた。野宿者の問題を見つめる時、街や経済の歴史、(五輪に伴う)ジェントリフィケーションの問題とは切り離せない。今もその関心は続いている。日韓の戦後食文化や商店街を研究している友人のことも思い出した。さらに、在米移民となった今は、移住者がどのように生きたかも新鮮な興味だ。在日コリアンや中国人が成してきた横丁や、最近の変化について本から得た知識をパートナーに共有しているうちにレストランに到着した。

 

レストランはピスティッチという名前で、NY州のコロナ対策規定を守ったアウトドアダイニングが設置されている。去年の誕生日をここでお祝いした私にとってちょっと特別なレストランだ。

久々に会う友人は元気そうで嬉しかった。この日も気温はマイナス1度。お互いに、アウトドアダイニング対策でモコモコに着込み、マスクに帽子という出で立ちだった。

菜食主義の話、友人同士の出会いの話、日本語の話、江戸川乱歩の話、NHKおすすめ番組の話、能と歌舞伎の話、ころころと変わる話題が楽しい。

私は今日のオススメの魚介のスープスパゲティと、アップルサイダーのカクテルで大満足。ニューヨークのデザートは大きいので軽く頼むと後悔する。パートナーが頼んだココナツケーキを一口食べた。

 

次また会おうねと言い合い別れた。

2時間のアウトドアダイニング、ちょうど良すぎた。

帰り道、友人二人がいかに優しいかという話になった。あまりに友人たちが聞き上手だったので、自分たちが喋りすぎたかなとちょっと反省した。もっとふたりにおしゃべりしてほしかった。次は私たちから誘おうと思います。

 

食事と散歩は貴重な対話を生む。

 

(982文字/30分/16日目)

 

www.pisticcinyc.com

レストランはここ。おすすめ。

 

 

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