チーズやパスタの品揃えが凄い食料品店を横目に、リトル・イタリーをさらっと通り抜けると、街の雰囲気が変わる。アパートメントも道もなんとなく汚い。グラフィティが増える。こうやって生活圏がブロック毎に変わるのがニューヨークの面白いところだ。きっと残酷なことでもある。
私は庶民が生み出すそこはかとない汚さとともに生きている街が好きだが、苦手な人もいるだろう。
目指したのは、ローワーイーストサイドの漬物専門店(The Pickle Guys/ザ・ピクル・ガイズ)。ここはめちゃくちゃオススメ。
交差点を渡ると、店外まで癖のないお酢とスパイスが混じった良い香りが漂ってくる。
米国でpicklesというと、きゅうりの酢漬け全般を指す。ハンバーガーに挟まってくるあれだが、10センチほどの小ぶりだがしっかりしたきゅうりが丸ごと漬けられていて、スライスせずにかじって食べる。
基本的にこちらの漬物は酢漬けなのだが、ほかの野菜や果物がつけられている場合は、tomato pickles(トマト・ピクルス)のように「○○ピクルス」と呼ぶ。
この店には常時何十種類というピクルスが並んでいる。腰ほどまであるツボの上に並べられたピクルスは圧巻。きゅうりのピクルスだけでも、ハーフサワー(酸っぱさ半分)、ホットサワー(唐辛子などと一緒につけられていて辛くて酸っぱい)、ニューピクルス(浅漬)など種類豊富だ。
セロリ、オクラ、ハラペーニョ、ペパロニ、トマト、芽キャベツ、オリーブなど目に楽しい。珍しいものでは、スイカ、パイナップル、マッシュルームなどもある。
入れてもらう容器の大きさで値段が決まっていて、買い物がしやすいのもいい。
今回は、マンゴーとベビーコーンと、友達へのお土産用にピクルス(きゅうり)を1種類買った。しめて、18ドル50セント(約1900円)。専門店で抜群に美味しいのにありがたい値段だ。
マンゴー・ピクルスが私の暫定1位。甘くてスパイシーで、1回1切れ食べれば満足するのは、梅干しにちょっと似ている。
店員のオジサンは唐突にシモネタをかましてきたりして失礼だけれど、お兄さんたちは親切だから安心してほしい。今回はオジサンの接客だったので嫌でしたね~~。
ちなみに、コロナ対策として、マスク着用者のみ入店可能。1度に入店できる人数を3人と制限している。こうした対策は一律どの店も行政指導のもとに行っている。
ウーバーイーツなどの宅配も含め、ひっきりなしに人が訪れる紛うことなき人気店だ。
街歩きは続く。
(1000文字/30分/32日目)
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